大都市における災害発生時の情報発信に関する一考察
一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会理事である慶應義塾大学大学院経営管理研究科の岩本隆特任教授は2019年1月8日、レポート「大都市における災害発生時の情報発信に関する一考察~デジタルサイネージの設置を中心に~」を発表しました。
サマリー
■背景
・地震や水害などの自然災害発生時には、住民等の安全な避難のために迅速・正確な情報提供が求められる
・デジタルサイネージは発信情報を設置場所に合わせてきめ細かく設定可能であり、多言語・動画での発信が容易
等、他の手段に比べて様々な優位性を有している
■現状の課題
・既に国や自治体がデジタルサイネージを災害時の情報発信手段として活用する方針を打ち出しているものの、設置場所やコストなどの課題があり、広範な整備は進んでいない
■提言
・災害時の帰宅困難者、訪日外国人観光客、視聴覚障害者等に対する効果的な情報発信のためには、デジタルサイネージの活用が有効である
・設置場所や整備・維持コストの問題を解決するため、地上配電盤等にデジタルサイネージを付加し、平常時には広告を放映することで収入を得るモデルを検討
・広告収入モデルのより精緻な試算のため、また法令による規制や、道路管理主体の細分化による課題に取り組むため、自治体と民間事業者の共同実証事業を早急かつ広範に実施する必要がある
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